オーバーウォッチ公式の「ディレクターの視点:未来のフォーマット」(Director’s Take: Future Formats)の内容をまとめました。
シーズン3後半のクイック・プレイ:HACKEDで行われる6v6実験を中心に、モード別のプレイ人口やスタジアムの方針も整理しています。
なぜ今フォーマットを試すのか
フォーマット変更はゲームの手触りを大きく左右するため、慎重に扱われています。
今回の検証で探られるのは、次の点です。
- ロールキューのマッチをより ダイナミック にすること
- タンクのプレイ体験 の改善
- チームファイトの 振れ幅 の緩和
- 現行フォーマットの 不満点 の緩和
現行5v5のタンクの重さ
現行5v5では、タンクの重さが課題になっています。
- 試合結果を 左右しすぎる
- リスポーン時のカウンタースワップで 構成が崩れやすい
- 他ロールとの1v1で強すぎて、バランス調整が難しい
プレイヤー側からも開発側からも共有されている課題です。
タンクが2人いる環境なら、こうした粗さをやわらげる別の調整余地を試せます。これが実験の動機のひとつです。
試合スピードと「公平さ」の感じ方
オーバーウォッチのマッチは速くてダイナミックです。一方で、そのスピードはマッチメイキングやバランス調整の問題に対するコミュニティの認識を歪める可能性もあります。
- 一方的な展開 が、より頻繁に感じられる
- 序盤のアルティメット経済や、チームファイト敗北からの圧勝が、試合を 不公平 に感じさせることがある
今回の実験のいくつかの要素は、そうした公平感(実際の問題か、そう感じているだけかを問わず)にもう少し一貫性をもたらすかもしれません。
メイン変更を約束するものではない
前提として、実験の成否が メインフォーマット変更を意味するわけではありません。
- 既存コアモードの調整に使われる可能性もある
- 新しいアーケード案の材料になる可能性もある
- まずは ラフドラフト として遊んでもらう位置づけ
過去のHACKEDでは、選択式パッシブの検証がのちのパーク導入につながった例もあります。今回も、遊んだ感触とデータが次の判断材料になります。

フレックス・キュー(7月17日〜20日)
第1弾は フレックス・キュー(Flex Queue)です。
ロールキューの2-2-2とオープンキューのあいだに位置するハイブリッド形式です。
チームは常に次の 1-3-2 から始まります。
- タンク:最低1
- フレックス・ダメージ:3
- サポート:2
ルール
ダメージ枠のプレイヤーが タンクへ交代できる のがポイントです。
- 同時にタンクへ出られるのは 1人まで
- トレーサーで始めて、途中でザリアに替える、といった動きは可能
- 別のダメージ勢が同時にラインハルトへ行くことはできない
- タンクからダメージへ戻すこともできる
- そのあと、別のダメージ勢がタンクを引き継げる
結果として、試合中の構成は次のどちらかになります。
- タンク2+ダメージ2
- タンク1+ダメージ3
狙いと課題
狙いは次のとおりです。
- 6v6ロールキューで起きやすい、タンク待ちによるキュー時間問題 を避けられる
- 真っすぐな2-2-2より構成が動きやすい
- オープンキューのように、タンクゼロやダメージだらけにもなりにくい
最大の課題は、ダメージ勢に タンクを求める空気 が出る可能性です。

ダイナミック・キュー(日本時間:7月31日〜8月3日予定)
第2弾は ダイナミック・キュー(Dynamic Queue)です。
フレックス・キューの仕組みを残しつつ、マッチメイカーが次の2形式を混ぜて編成します。
- 2-2-2 ロールキュー
- フレックス・キュー 形式
どう組まれるか
- 基本は 2-2-2 を優先して組む
- タンクの待機が足りないときだけ、フレックス形式へ切り替えてマッチを開始する
タンク待ちのボトルネックを逃がしつつ、多くの試合を2-2-2で回せるのが利点です。
フレックス形式の試合が少数なら、ダメージ勢へのタンク圧力も和らぎやすくなります。
いまのフレックスロールとの違い
いまのフレックスロールは、人口の偏りから結局タンクに入りやすい面があります。
一方でこの実験のフレックスでは、ダメージを多く遊べつつ、たまにタンクへ切り替える機会も得られる、という形になり得ます。
懸念点
このモードの最大の欠点は、試合ごとに 一貫性が失われる ことです。
これにより、ゲームの 競技性 が損なわれる可能性があり、開発側もその点を注意深く見守るとしています。
モード別のプレイ人口(6月28日時点)
2026年6月28日時点のモード別・日次プレイヤー比率も公開されています。
同一セッションで複数モードを遊んだ場合は重複計上され、未掲載モードもあるため、合計は100%になりません。
- アンランク・ロールキュー 5v5:約54%
- ランク・ロールキュー 5v5:約37%
- アンランク・オープンキュー 6v6:約19%
- ランク・オープンキュー 6v6:約8%
- アンランク・ミステリー・ヒーローズ 6v6:約4%
- スタジアム(ランク):約3%
- スタジアム(アンランク):約3%
整理すると次のとおりです。
- 5v5 が多数派を維持
- 6v6 は上昇傾向
- スタジアム は専用の小規模層に落ち着いている
スタジアムは継続サポート、拡張はしない
この数字を踏まえたスタジアムの方針は次のとおりです。
- 季節ごとのバランス更新、ランクリセット、報酬などのサポートは継続
- 新ヒーローや新マップの追加による拡張は予定していない
- スタジアム開発で得た知見と人材は、今後の別計画へ活かす
開発チームが求めていること
最も求められているのは、実験モードを実際に遊ぶことです。
- テンポや雰囲気が普段と違っても、期間中に慣れてほしい
- 最初の印象が変わるかを見てほしい
- 1週末のHACKEDだけで将来を決めるほど、データは揃わない
コミュニティからの感触——とくに楽しいか、やりがいがあるか——が、次の方向性を左右する材料になります。
ミッドシーズン案内で予告されていたHACKEDの6v6特集が、今回の2実験として具体化された形です。

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