オーバーウォッチの開発ディレクター Aaron Keller氏 が、オーバーウォッチ10周年にあわせて、初期開発の舞台裏をXで公開しました。
スレッドでは、Project Titanの中止後に検討されていた別プロジェクト、オーバーウォッチのコードネーム 「Prometheus」、最初の本格マップとなった Temple of Anubis、そして2014年のBlizzCon発表までの流れが、当時の画像とともに紹介されています。
投稿の要点
- Team 4は、発売より前の2013年半ばからオーバーウォッチに取り組んでいた
- Project Titan中止後に検討された別ゲームの一部アイデアが、後のオーバーウォッチへ移った
- 新プロジェクトのコードネームは「Prometheus」で、開発チームは自分たちを「Prometheans」と呼んでいた
- エンジン再構築中は数カ月にわたり紙上で設計を進め、最初の本格マップとしてTemple of Anubisを作った
- 2013年末のロンドン試験環境、2014年4月の4ヒーロー戦闘マイルストーン、2014年11月のBlizzCon発表へ進んだ
10周年に初期開発の歩みを紹介
Keller氏は、オーバーウォッチ10周年を祝いつつ、ゲーム自体は10年前に発売されたものの、Team 4が取り組み始めたのは 2013年半ば だったと説明しています。今回のスレッドでは、発売までにチームがたどった初期の道のりを紹介する、という位置づけです。
最初の画像はオーバーウォッチではなく、Titan後の別企画
最初に添付された画像はオーバーウォッチのものではなく、2013年に Project Titanが中止された直後、チームが検討していた別ゲームのコンセプトだと説明されています。そのゲーム自体は実現しなかったものの、画像から分かるように、いくつかのアイデアは後のオーバーウォッチへ移ったとのことです。
ここで重要なのは、オーバーウォッチが完全に白紙から突然生まれたのではなく、Titan後に模索されていた複数の方向性の中から形作られていった、という点です。
新プロジェクトのコードネームは「Prometheus」
新しいプロジェクトには 「Prometheus」 というコードネームが付けられ、開発チームは自分たちを 「Prometheans」 と呼んでいたそうです。
この時点ではまだ「オーバーウォッチ」という名前で固まっていたわけではなく、チーム内部では別のコードネームで開発が進んでいたことが分かります。
キャラクターや環境のスケールをTitanエンジンで検証
チームはすぐに作業へ入り、新プロジェクトの重要課題として、キャラクターと環境のスケール などを検討していたとのことです。添付画像は、オーバーウォッチ用の新しいエンジンとエディターをまだ開発中だったため、Titanのエンジン上で生成されたもの だと説明されています。
初期段階では、ゲームの世界をどのサイズ感で見せるか、キャラクターが環境内でどう見えるかといった、FPSとしての基礎部分を先に固めていたようです。
戦闘の手触りも早い段階から検証
戦闘の感触についても多くの作業が行われ、他タイトルを研究しながら、エンジン内の検証やコンセプト制作を通じて課題に取り組んでいたそうです。ここでは、低体力時や被弾時に画面上でどう見えるか を検討した資料が紹介されています。
オーバーウォッチはヒーローごとの個性が強い一方で、FPSとしての視認性やフィードバックも重要です。かなり初期から、撃たれたとき・危険な状態になったときの伝わり方まで検討されていたことが読み取れます。
Titanで話し合われたロケーションから着想を得たマップ案
マップ案についても多くの作業が行われ、その多くは Titanで話し合われていたロケーション から着想を得ていたとされています。Keller氏は特に、ガラパゴスを舞台にしたマップ案 について「今でも作ってみたかった」と振り返っています。
このガラパゴス案の詳細は投稿内では説明されていませんが、初期の段階では現在のマップラインナップとは異なる候補も多数あったことが分かります。
エンジン再構築中は紙上で作業し、最初の本格マップはTemple of Anubisに
エンジンが再構築されている間、チームは 数カ月にわたって紙上で作業 していたとのことです。その後、最初の本格的なマップとして Temple of Anubis を作ったと説明されています。
紙上設計から実際のマップ制作へ移る流れがここで示されており、Temple of Anubisが初期オーバーウォッチにおける重要な実験場だったことが分かります。
2013年のピッチ資料で、ヒーローのラインナップが空気を変えた
Keller氏は、オーバーウォッチはヒーローのゲームだとしたうえで、2013年の幹部向けピッチ資料に使われたヒーローのラインナップ画像を紹介しています。その画像は、懐疑的だった場の空気を、ゲームへの期待へ変えた瞬間として語られていたそうです。
ここからも、初期の段階で「ヒーローたちの魅力」がプロジェクトの核として扱われていたことが分かります。
初期からヒーローは「Blizzardらしい大きな存在」として設計
当時から、オーバーウォッチのヒーローは 現実離れした大きな存在感を持つキャラクター として考えられていたようです。Keller氏は、Blizzardが得意とするキャラクター像を一人称視点のゲームに落とし込んだものだと説明しています。
単にFPS用のプレイアブルキャラクターを並べるのではなく、Blizzard作品らしい強いキャラクター性をFPSに持ち込む、という方向性が初期からあったことが伝わります。
2013年末、ロンドンのテスト環境でトレーサーを動かす段階へ
開発が進むにつれ、チームは 2013年末にロンドンのテスト環境でトレーサーを動かす段階 まで進んだとされています。
現在のオーバーウォッチを象徴するヒーローの一人であるトレーサーが、初期テストの段階から中心的な存在だったことが分かります。
2014年4月には4人のプレイアブルヒーローで戦闘マイルストーンへ
その後、チームは 2014年4月に4人のプレイアブルヒーローを使ったコア戦闘マイルストーン へ進んだと説明されています。
2013年末の初期テストから、実際に複数ヒーローで戦闘を検証する段階へ移った流れがここで示されています。
2014年11月、BlizzConで正式発表
オーバーウォッチはその後、2014年11月のBlizzCon で発表されました。Keller氏は、Metzen氏によるイントロが感情のこもったものだったと振り返り、今でも思い出すと涙が出ると述べています。
Project Titan中止後の模索から始まったプロジェクトが、BlizzConの大舞台で初めてプレイヤーに公開されるまでの節目です。
2016年5月24日に発売。開発者たちへの敬意も
オーバーウォッチは数年後の 2016年5月24日 に発売され、世界中のプレイヤーがゲームに飛び込み、今も遊び続けているとKeller氏は述べています。あわせて、このプロジェクトに関わってきた、そして今も関わっているすべての開発者に大きな敬意を示し、彼らこそがゲームの中心だとしています。
初期開発の話だけでなく、10年続いてきたタイトルを支えてきたチーム全体への感謝が強く出ています。
コミュニティへの感謝で締めくくり
最後にKeller氏は、過去・現在・未来のプレイヤーを含むコミュニティへの感謝を述べています。オーバーウォッチの世界はチームにとって、そしてKeller氏個人にとっても大きな意味を持つものであり、10年後にもまた一緒に次の10年を祝えることを願っている、という内容で締めくくられています。
まとめ
今回のスレッドは、オーバーウォッチの初期開発を時系列で振り返る内容です。特に大きいのは、Project Titan中止後の別企画、コードネーム Prometheus、紙上設計から Temple of Anubis へ進んだ流れ、そして2013年末から2014年のBlizzCon発表までの節目が、開発者本人の言葉で整理されている点です。
10周年の記念スレッドでありながら、単なるお祝いではなく、オーバーウォッチがどのように「ヒーローのゲーム」として形になっていったのかを知る手がかりになる内容といえそうです。
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